「空間は、人の関わりで進化する。」
若い頃、頭の中で描いた空間を完璧に形にすることに強くこだわっていました。
設計者として、デザイナーとして、自分のイメージをそのまま実現したい。
そう考えるのは、とても自然なことだと思います。
しかし仕事を続ける中で、人と関わり、意見を交わし、現場で議論する経験を重ねるうちにあることに気づきました。
それは「空間は一人でつくるものではない。」ということです。
設計者の考え。現場の視点。職人の経験。仲間のアイデア。
それぞれの考えが交わることで、最初に思い描いていた空間とは少し違う形になることがあります。
しかしそのとき、空間は不思議と最初よりも良くなっていることを何度も経験しました。
私はその瞬間を、科学の世界で起きる化学反応のようなものだと感じています。
人の考えが交わることで、新しい価値が生まれる。
それは一人では決して生まれないものです。
私たちは、設計と施工の両方に関わる会社です。
図面の中にある空間をただ再現するのではなく、現場で考え、仲間と議論し、職人と対話しながら空間を少しずつ完成させていきます。
その過程の中で、設計の意図はさらに磨かれ、空間はより豊かなものになっていきます。
私は「空間づくりは人の関わりによって進化する。」と考えています。
そしてその過程こそが、空間づくりの本当の面白さだと思っています。
もしあなたが設計やデザインが好きな人なら、現場という場所は、その「化学反応」が起こる場所です。
図面の中にあった空間が、人と関わることで少しずつ変化し、完成へと近づいていく。その過程を楽しめる人と一緒に空間をつくっていきたいと思っています。